一般財団法人環境イノベーション情報機構
COP9で森林吸収源CDM実施のための細則決まる
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2003.12.16 【情報源】林野庁/2003.12.15 発表
林野庁は2003年12月12日までミラノで開催された気候変動枠組条約第9回締約国会合(COP9)で採択され、内容が確定した森林吸収源CDM(注1)事業実施のための細則の内容を同庁ホームページに掲載した。この細則は、50年間森林でなかった土地を森林に転換する「新規植林」や、基準年以降森林でなかった土地を森林に転換する「再植林」の定義について、京都議定書による先進国の国内森林の定義と同一にするとしたほか、再植林の基準年を1989年に決定した。
また伐採や火災により森林が失われると炭素固定効果が永続しないことに考慮し、クレジット(排出削減量として認める量)の発行は期限付きで行われることになり、クレジットは5年が期限の一時クレジットと最長60年有効な長期クレジットから選択できるとしている。
このほか一般の吸収源CDMより簡素化した手続きが適用される小規模吸収源CDMが認められたが、吸収量が二酸化炭素換算で年平均8,000トン未満の事業で、加えて低所得者層が参画するものと規定された。
小規模吸収源CDMの簡素化されたルール・手続きについてはCOP10で採択できるよう、検討していくことになった。
さらに外来種や遺伝子組換体を吸収源CDMに使用することについては、事業を実施する途上国がその危険性を国内法規で評価し、事業のクレジットを活用する先進国も使用を国内法規で評価することが規定された。
林野庁では同庁内のCDM植林ヘルプデスクなどを活用し、この細則を踏まえCDM吸収源事業の技術的支援を行っていきたいとしている。
(注1)CDMは先進国と途上国が共同で温室効果ガス排出削減プロジェクトを実施し、達成された温室効果ガス削減分の一部(認証排出削減量)を先進国が自国の削減量として充当することを認める制度。森林吸収源CDMは森林整備によりCO2の吸収固定を行うタイプのCDMのこと。【林野庁】