一般財団法人環境イノベーション情報機構
繊維強化プラスチック製廃船のリサイクル実験、15年度も実施へ
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2003.10.07 【情報源】国土交通省/2003.10.07 発表
国土交通省は「FRP廃船高度リサイクルシステム構築プロジェクト」の15年度事業として、14年度に続きFRP廃船収集からセメントへのリサイクルまでの総合実証試験を関東から九州地域までの数か所のモデル地区で実施すると発表した。FRP廃船は破砕が難しく、処理費用が高いことから海洋投棄や放置艇の沈廃船化などの問題が近年顕著になっている。このため同省では12年度からFRP廃船のリユース・リサイクルを進めるための「FRP廃船高度リサイクルシステム構築プロジェクト」を進めてきた。
15年度の実験は(1)個人や自治体から使用済み船計約300隻を募集し、(2)自治体などから提供される一時保管場所でこれらの廃船を分別・解体し1メートル角のFRP破砕片にする、(3)中間処理プラントでこのFRP破砕片をさらに2センチ角まで粉砕、選別・調合し、セメント焼成用FRP混合物にする、(4)このFRP混合をセメントの原燃料として再利用する焼成試験を行う−−という内容。広島県廃船処理対策協議会が行う「FRP廃船処理の集中トライアル」とも連携しながら実験を行う予定だ。
なお一時保管場所は千葉県、静岡県、兵庫県、広島県、愛媛県などに自治体などの提供で設置される。また中間処理プラントは山口県下関市林兼造船所跡地、セメント焼成試験は兵庫県の住友大阪セメント赤穂工場、山口県のトクヤマ南陽工場、福岡県の宇部興産苅田工場−−の3工場を利用することが予定されている。【国土交通省】