一般財団法人環境イノベーション情報機構
「海の月間」にちなみ、海洋気象観測業務をホームページで紹介
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2003.07.25 【情報源】気象庁/2003.07.24 発表
気象庁は7月が「海の月間」であることにちなみ、同庁の海洋気象観測業務の紹介情報をホームページに掲載した。気象庁は、気象庁本庁と函館、神戸、舞鶴、長崎の各海洋気象台に1隻ずつ観測船を配備しており、これら5隻の観測船は日本周辺海域から赤道域までの北西太平洋地域で相互に連携しながら、年4回、水温、塩分、海流、海水中の化学成分、海洋生物、洋上大気と表面海水中の二酸化炭素濃度、海上気象、高層気象などについての観測を行っている。
このうち東経137度線に沿った洋上大気と表面海水中の二酸化炭素濃度観測は、1981年に開始されてから現在まで、20年以上にわたり毎年実施されており、世界的にも他に例を見ない気候変動の状況把握・予測のための貴重なデータとなっている。
また世界気象機関(WMO)、ユネスコの政府間海洋学委員会(IOC)などの国際機関の協力の下、「ARGO計画」が推進されている。
この計画は海面から水深2,000mまでの全世界の海洋の水温・塩分などの状況を300kmの間隔で、リアルタイムで常に監視・把握するシステムを構築する国際プロジェクト。気候変動に多くの影響をもたらしている海洋の温度・塩分分布や海流の状況を把握することにより、気候変動研究や長期予報の精度向上に寄与することが期待されている。
2003年6月現在、全世界の海洋には825の観測拠点「アルゴフロート」が海中に投入され、うち日本が投入したフロートは155個。気象庁はそのうち53個を投入した。【気象庁】