一般財団法人環境イノベーション情報機構
マグロ類8魚種50検体の水銀濃度調査を公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2003.06.03 【情報源】水産庁/2003.06.02 発表
水産庁は同庁が14年度から15年度にかけて実施しているマグロ類に対する水銀濃度調査のうち、14年度実施分についての結果をまとめ、平成15年6月2日付けで中間報告として公表した。厚生労働省が昭和48年に設定した魚介類中の水銀の暫定規制値は総水銀0.4ppm、メチル水銀0.3ppmという数値を設定しているが、今回調査を行ったマグロ類については、内水面水域の河川産魚介類、深海性魚介類とともにこの暫定規制値は適用しないことになっている。
なお今回調査対象になったキハダ、クロマグロ、ビンナガ、ミナミマグロ、メバチ、クロカジキ、マカジキ、メカジキの8魚種50検体のうち、総水銀ではクロカジキで最高9.3ppm、メチル水銀ではメカジキで最高1.0ppmを検出したほか、暫定規制値にあてはめると超過しているケースが総水銀については約60%、メチル水銀では40%以上の検体で確認された。ただしコーデックス委員会(国際食品規格委員会)が設定した高次捕食魚類(まぐろ類含む)についての国際的なメチル水銀のガイドラインレベル「1キログラムあたり1ミリグラム」を超えたケースはない。
なおこの結果について水産庁は「日本人の食品由来の総水銀摂取量は1人1日7.0μgで魚介類からの摂取量はその約87%を占めるが、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会合)が設定した1人当たりの暫定的週間耐容摂取量のの1日分35.7μgの約2割の水準。平均的な食生活をしている場合、健康への影響が生じることはない」との見解を示している。【水産庁】