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環境ニュース[国内]

欧州委員会 刑事法による環境保護をめぐり、閣僚理事会と対峙

環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2003.04.10 【情報源】/2003.03.31 発表

 欧州閣僚理事会は、2003年1月27日、刑事法による環境保護に関する枠組み決定を行っているが、欧州委員会は、この決定の取消を求め、欧州裁判所に提訴することを決めた。
 枠組み決定(2003/80/JHA)は、環境犯罪及びその影響の増大について、EUが一体となって対処するための根拠を与えるものである。これは、もともとデンマークにより提案されたもので、刑事犯罪の司法協力に関する、欧州連合条約第4章(第三の柱)に依拠している。枠組み決定は、加盟国において刑事罰を課すことになる環境犯罪を定義し、刑事犯罪の司法協力に関する規定も含まれている。
 欧州委員会は、決定の目的を支持し、閣僚理事会が刑事法を通じた環境保護について決定を行ったことを歓迎する一方で、閣僚理事会の決定が依拠する法的根拠に疑義を呈している。欧州委員会側は、正しい根拠は、通常、環境法規の法的根拠となっている、EC条約第175条(第一の柱)だと主張する。共同体の規則が刑事罰を通してしか執行できない場合、共同体の立法府が、加盟国に対して罰則を定めるよう要求する法的根拠を持つことになるからである。このため、欧州委員会側は、2001年3月15日、EC条約第175条1項を根拠として、刑事法による環境保護に関する指令案を提案している。
 欧州委員会は、自らの指令案の方が枠組み決定よりも優れており、刑事法を通じたよりよい環境保全をもたらすことができるとする。枠組み決定については、加盟国が環境犯罪に対して刑事罰を適用しうる条件を押し付けるもので、刑事法を通じた環境法の実施に歪みをもたらすとしている。
 なお、欧州議会は、EU条約の手続きについて意見を求められることはほとんどないが、明確に委員会のアプローチを支持している。一方、閣僚理事会はこの意見を無視しているという。【欧州委員会環境総局】

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