一般財団法人環境イノベーション情報機構
14年度の原子力発電所の設備利用率は73.4% 不正発覚の影響受け低下
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2003.04.07 【情報源】原子力安全・保安院/2003.04.04 発表
原子力安全・保安院は、研究開発段階のものを除いた全国の原子力発電所全52基4,574.2万キロワットの平成14年度設備利用率は73.4%となり、13年度の80.5%を大幅に下回ったと発表した。原子力発電所の設備利用率は平成7年度に初めて80%台を超えて以来、80%を維持してきた。しかし14年度は東京電力、中部電力、東北電力などの多くの原子力発電所で、自主点検作業記録の不正やひび隠しが次々に明らかになったことを受け、定期検査の前倒し、定期検査の期間の延長、計画外停止のため、8年ぶりに稼働率が70%台となった。
一方、平成14年度には52基中27基で定格熱出力一定運転(注)が実施され、運転を行わなかった場合と比較すると、設備利用率が全体で0.5%程度上昇していた。
(注)原子炉の発熱量の最大値である「定格熱出力(上限発熱量)」を保ったまま原子炉を運転する方法。日本ではこれまで、原子炉の運転の結果できた電気出力(電力量)を一定にする運転方法をとっていたが、冬季に発電効率が上昇した分について、わざわざ原子炉の発熱量を下げ電力量を抑えていた。定格熱出力一定運転へ移行した場合、効率がよくなった分電力量を増やすことができる。【原子力安全・保安院】