一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境観測技術衛星「ADEOS−2」に搭載されたオゾン層観測センサのデータを初解析
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2003.03.28 【情報源】環境省/2003.02.05 発表
2002年12月に打上げられた環境観測技術衛星「ADEOS−2(みどり2)」に搭載された環境省のオゾン層観測センサ「改良型大気周縁赤外分光計II型(通称ILAS−2)」から初めてデータが取得され、03年2月5日に解析結果が公表された。「ADEOS−2」は地球上の水・エネルギー循環や炭素循環を解明するために日本の宇宙開発事業団(NASDA)が打ち上げた衛星。またILAS−2は環境省が開発し、オゾン層の破壊に関わる多種類の物質の高度分布を同時に観測することができるセンサ。
今回公表されたILAS−2のデータは、03年1月23日に測定されたデータを国立環境研究所が処理したもので、北極グリーンランド付近と南極昭和基地付近の上空、高度約15〜50キロメートルの範囲で、オゾンなどの大気微量物質濃度の高度ごとの分布を把握している。1キロメートル単位の詳細な把握ができたため、環境省では「ILAS−2が予定通りの機能を発揮している」と評価している。
ILAS−2は、今後引き続き南北両半球極域でのオゾン層破壊の過程を継続的に監視していく予定で、取得されるデータは、内外の第一線の研究者に提供されるとともに、データの信頼性を確認した後で03年夏以降をめどに、国立環境研究所のILAS−2のホームページ上から一般にも公開される予定。
なお、「ADEOS−2」にはILAS−2の他にも、米国・航空宇宙局(NASA)が開発した海洋風観測センサーやNASDAが開発した高性能マイクロ波放射計なども搭載されている。【環境省】