一般財団法人環境イノベーション情報機構
1890年以降の貴重な海上気象資料「神戸コレクション」のデジタル化が完成
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2003.02.24 【情報源】気象庁/2003.02.21 発表
気象庁と(財)日本気象協会は平成15年2月21日、神戸海洋気象台で1890年(明治23年)以降蓄積されてきた、海上気象資料「神戸コレクション」のデジタル化が完成したと発表した。「神戸コレクション」は100年以上にわたる歴史的気象データであり、第一次世界大戦時など、世界的にデータの少ない時代の観測資料を含むことから、世界の気候変動・海洋研究者の間で貴重な資料として注目されている。このためコンピュータで容易に処理できるように、平成7年度から日本財団の支援によりデジタル化の取り組みが進められてきた。
日本財団の支援を受けたプロジェクトでは「神戸コレクション」のデジタル化と同時に、観測データの品質管理手法の開発、台風・干ばつ・冷害の発生と海洋気象との関係、海洋気候の実態と長期変動の解明などの関連調査も実施されており、これらの調査の中で20世紀の100年間に地球全体で0.5℃程度の海面水温が上昇していること、20世紀前半にもエルニーニョ現象の影響と考えられる海面水温の上昇が東部太平洋熱帯域で3〜5年程度の間隔で繰り返し発生していたこと−−などが確認されている。
デジタルデータや関連調査報告は、日本財団のホームページに掲載され、またCD−ROMでも提供される予定だ。【気象庁】