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環境ニュース[国内]

ハクジラ類のPCB・水銀濃度、暫定的規制値上回る 鯨由来食品中の汚染実態調査結果

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2003.01.20 【情報源】厚生労働省/2003.01.16 発表

 厚生労働省が平成13年度に実施した、鯨由来食品中のPCB・水銀の汚染実態調査の結果がまとまった。
 鯨肉にはPCBや水銀の高濃度の残留が懸念する声があったが、実際の汚染状況や摂食によるヒトの健康に及ぼす影響についての検討は、これまでほとんどなされていなかった。
 今回の調査では捕獲したツチクジラ4検体16試料、バンドウイルカ1検体24試料、イシイルカ1検体8試料、コビレゴンドウ1検体8試料、市場調査試料のミンククジラ28検体、ツチクジラ2検体、イシイルカ2検体、ニタリクジラ1検体について汚染実態調査を行ったほか、南極ミンククジラの畝須5試料、尾羽5試料、北西太平洋ツチクジラの赤肉5試料、北西太平洋ミンククジラの副産物7試料、ニタリクジラの副産物12試料、マッコウクジラの副産物30試料について、いったんベーコンなどの加工品を調製した上で原料との濃度比較を行った。
 汚染実態調査結果では、一般市場に流通している鯨由来食品のうち50%以上を占める南極ミンククジラのPCB・水銀濃度は暫定的規制値の10分の1以下と低かった反面、ツチクジラ、イシイルカなどのハクジラ類については脂皮中にPCBが、筋肉中に水銀が高濃度蓄積しており、そのレベルは昭和47〜48年に通知されたPCBや水銀の暫定的規制値を上回っていることがわかった。
 また加工品と原料との比較調査では、南極ミンククジラをベーコンに加工した場合、総水銀は20〜30%減少したものの、メチル水銀は逆に50〜400%上昇したことが判明。更にツチクジラ赤肉の加工品であるタレでは、総水銀で原料より21%、メチル水銀で原料より29%濃度の上昇が認められたほか、PCBでは145%も濃度が上昇する傾向が確認された。【厚生労働省】

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