一般財団法人環境イノベーション情報機構
ワシントン条約第12回締約国会議が閉幕
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2002.11.19 【情報源】水産庁/2002.11.18 発表
2002年11月3日からチリのサンティアゴで開催されていたワシントン条約第12回締約国会議が11月15日に閉幕した。今回の締約国会議では、(1)ミンククジラ、ニタリクジラの附属書1(国際取引禁止種))から附属書2(国際取引可能種)への降格、(2)サメ類の附属書への新規掲載、(3)ワシントン条約と他の国際機関の連携、(4)海産種作業部会の設置、(5)条約の名称変更などが議題となり、このうち日本が提案したミンククジラ、ニタリクジラの附属書1から附属書2への降格案は本会議で再提出した修正提案も含め、いずれも否決される結果となった。
一方、フィリピン・インド・マダガスカルが提案したジンベイザメの附属書1への新規掲載提案、イギリスが提案したウバザメの附属書2への新規掲載提案は、委員会レベルで否決された内容が本会議の再採決で一転して採択され、やはり委員会で否決されていた黒海バンドウイルカの附属書2から附属書1への昇格案も、本会議で附属書2掲載種のままで商業的な漁獲割り当て枠をゼロとする修正提案が可決。
サメを含む現時点で絶滅のおそれがない商業海産種は、ワシントン条約ではなく、専門的な知見を持つ国連食糧農業機関(FAO)や地域漁業管理機関で扱うべきとの主張に立っていた日本は、これらの結果について「今回は日本の立場が理解されない結果となった」とのコメントを残した。
ただしワシントン条約とFAOとの連携についてはFAOが海産種一般の管理権限を持つとする日本提案の内容が反映された決定が採択されたほか、ワシントン条約内の海産種作業部会の設立は否決、条約の名称変更案は締約国からの反対が大きく提案が撤回されている。【水産庁】