一般財団法人環境イノベーション情報機構
ベーリング公海のスケトウダラの資源量 過去最低水準で2003年の漁獲可能水準設定できず
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2002.09.27 【情報源】水産庁/2002.09.27 発表
2002年9月16日から19日にかけて、ロシアのモスクワで、ベーリング公海条約第7回年次会議が、ポーランド、中国、韓国、日本、ロシア、米国などの締約国の参加により開催された。ベーリング公海条約は、ベーリング公海のスケトウダラ資源の保存管理と適正利用などを目的として1995年に発効した条約。年次会議はこれまで年1回開催され、科学委員会でのアリューシャン海盆全体のスケトウダラの資源評価に基づき、翌年のベーリング公海での漁獲可能水準や国別割当がコンセンサス方式により決定されてきた。
今回の会議では、2001年/2002年に行われた日米共同調査の調査により、10年に及ぶモラトリアム(漁業一時中止)措置にもかかわらず、推定資源量が過去最低水準であることが確認されたため、ベーリング公海だけでなく、アリューシャン海盆全体にわたる科学的知見の蓄積、管理措置の必要性が合意され、各国が協調して調査活動を行うことになった。
ただし、AHL(漁獲可能水準)の設定については、日本が承認されたABC(生物学的漁獲可能量)2,336トンをもとに提案を行ったものの、米国の反対により同意が得られず、前回会合の決定に続きゼロとなった。
なおモラトリアムが10年以上となることが明らかとなったことで、漁業国の中には漁業再開へのあきらめムードが漂ってきており、協定から離脱する国が出るおそれも出てきた。【水産庁】