一般財団法人環境イノベーション情報機構
テイジン・アラミド、コンベヤーベルトの高強度繊維が省エネでアワード受賞
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2016.11.17 【情報源】企業/2016.11.15 発表
テイジン・アラミド(オランダ)は、高強度繊維「トワロン」で国際的市場調査会社の米国フロスト&サリバンの賞「グローバル・イネーブリング・テクノロジー・リーダーシップ・アワード」を受賞した。同社は帝人のグループ企業で、パラ系アラミド繊維を生産・販売している。深部採掘作業用のコンベヤーベルトに使用した際の省エネ効果などが評価された。この賞は、機能性や顧客価値の面で世界で最も効果的な技術を持つ製品に与えられる。今回は、深部採掘作業用のコンベヤーベルトにトワロンを使うことによる環境負荷の低減や稼働コストの削減、作業の効率化が対象になった。深部採掘作業でのCO2排出量低減には、コンベヤーベルトで重量物を輸送する際の効率性が重要になる。
トワロンは強力で弾性率が高く、寸法安定性、耐熱性、耐衝撃性、柔軟性などの特長がある。軽量で同じ重さの鉄と比較して6倍の“引っ張り強度”を持つことから、コンベヤーベルトに利用することで、従来品と比べてベルト本体の重量が最大40%削減できる。このため転がり抵抗が減少し、省エネ効果が最大25%高まることが実証されているという。
加えてコンベヤーベルトを長寿命化し、非稼働時間を短縮して作業効率を高める。こうしたことが持続可能性の高いソリューションと認められた。テイジン・アラミドは受賞を弾みに深部採掘や鉄鋼産業、電力産業でトワロンの用途展開を進める。トワロンは帝人が2000年にオランダ企業から事業買収した。日本では帝人が輸入販売している。【帝人株式会社】