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環境ニュース[国内]

富士通研究所、人工光合成での太陽光エネルギー変換反応を高効率化する技術を開発

エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2016.11.10 【情報源】企業/2016.11.07 発表

 富士通研究所は、人工光合成での太陽光エネルギー変換反応を高効率化する新たな材料技術を開発した。同社は富士通のグループ企業で技術開発を手掛けている。電子と酸素の発生効率が100倍以上向上し、貯蔵できる生成エネルギー量が増える。人工光合成は太陽光、水、CO2から酸素、水素、有機物などのエネルギーを人工的に生成する技術で、注目されている。

 水素や有機物などのエネルギーを人工生成するには、太陽光のエネルギーで“光励起”材料から反応電子を取り出し、電極で水やCO2と化学反応させる。光励起は、物質に光があたると物質内の電子が高いエネルギー状態になることを意味する。従来の材料は利用できる光の波長の範囲が狭く、化学反応に十分な電流量を取り出すことが難しかった。

 富士通研は今回、キャパシター(蓄電装置)などの受動素子を形成するための、電子セラミックスの成膜法を改良した。光励起材料の原料粉末をノズルで吹き付ける際、薄い板状に破砕しながら基盤上に積層させる技術を開発した。これによって太陽光のエネルギーを吸収できる波長が広がり、利用可能な光量を2倍以上にすることに成功した。

 形成された薄膜は結晶性が良く、材料中の粒子間の電子伝達特性に優れた緻密な構造になっている。光励起材料をそのまま使う場合と比べて、太陽光の中で利用できる光の量が広がる。そのうえ、材料と水との反応表面積を50倍以上に拡大し、電子と酸素の発生効率は100倍以上に高まる。今後さらに改良を進め、人工光合成技術の実用化を目指す。【株式会社富士通研究所】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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