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環境ニュース[国内]

凸版印刷、セルロースナノファイバーを活用したバリアー紙カップ開発、日本初

環境一般】 【掲載日】2016.10.06 【情報源】企業/2016.10.03 発表

 凸版印刷は、木の繊維を原料にする新素材のセルロースナノファイバー(CNF)を活用した酸素バリアー性を持つ食品用の紙カップを開発した。日本で初めてという。CNFによって酸素バリアー性を確保する。従来使っていたプラスチックフィルムが要らず、石化由来材料の使用量が削減できる。サンプルの出荷を2017年3月に始める。

 CNFは、紙の原料になる木の繊維を1μm(1mmの1000分の1)の数百分の1以下まで微細化したバイオマス素材で、軽くて強く、熱変形が小さい特長がある。自動車、家電、塗料、繊維などの多様な分野で、新素材として期待されている。凸版印刷はCNFをコーティングした紙器の開発を進め、その第1弾で酸素バリアー性がある紙カップを実現した。

 開発にあたってCNFが持つ酸素バリアー性に着目し、CNFを使った環境配慮型の新製品として紙カップを作った。紙の基材にCNFをコーティングすることでバリアー層を形成し、食品の酸化劣化を防ぐ。従来と同等の酸素バリアー性をバイオマス素材で可能にした。匂いへのバリアー性もあり、香り維持や保存時の移り香防止にも効果がある。

 CNFをプラスチックフィルムの代わりにするため、石化由来材料の使用量を40%以上削減する。価格は、石化由来材料をバリアー層にした紙カップとほぼ同等に設定する。今後、カップ麺や菓子、アイスクリーム・乳製品などの用途で、この紙カップの販売拡大を図る。凸版印刷はCNFを活用した紙器全体で、2020年度に約10億円の売上高を目指す。

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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