一般財団法人環境イノベーション情報機構
日立製作所、低風速地域で発電量を増加できる5MW級洋上風力発電システムを開発
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2016.09.09 【情報源】企業/2016.09.07 発表
日立製作所は、低風速地域でも発電量を増加できる5MW(5000kW)級の風力発電システム「HTW5.2-136」を開発した。ローター(回転部分)の風を受ける面積を広げた。日立が共同出資する風力発電事業会社、日立ウィンドパワーが運営する茨城県神栖市沿岸の「鹿島港深芝風力発電所」で、10月に試験運転を行い、2017年度に販売を始める。HTW5.2-136は、ローターの直径を136mに伸ばすことで、受風面積を従来機に比べて15%拡大した。これによって、年間平均風速が秒速7.5m未満の低風速地域でも発電量が増やせる。加えて、機器の設定や制御プログラムを最適化して定格出力を5.2MW(5200kW)に高めた。ブレード(羽根)は3枚でハブ(羽根の中心部)までの高さは約90mだ。
日立は今後、本州沿岸部の低風速地域向けにHTW5.2-136を提案する。併せて、従来機種「HTW5.0-126」の定格出力を5.2MWにしたシステム「HTW5.2-127」を新たに販売開始する。これはローター直径127mで、秒速10mの年間平均風速に対応する。耐風速性能がより必要な北海道、東北地方北部や九州地区南部の沿岸部など高風速地域用となる。
海に囲まれる日本では、風資源が豊富で立地や輸送の制約が少ない洋上風力発電の導入拡大が期待されていることから、発電効率を高めるシステムを開発した。日立はこれまでに風力発電システムを約250基受注し、国内トップ水準を誇る。うち118基が商用運転している。5MW級のシステムは鹿島港深芝風力発電所で、2015年9月に運転を始めた。【日立製作所】