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環境ニュース[国内]

東芝など、火力発電所から排出されるCO2分離・回収技術の実証事業を開始、実用化へ

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2016.08.04 【情報源】企業/2016.07.26 発表

 東芝は、みずほフィナンシャルグループでコンサルティングなどを手掛けるみずほ情報総研など12社・団体・大学とともに、火力発電所から排出されるCO2を分離・回収する技術の大規模実証事業を始める。設備を建設して性能やコスト、環境への影響などを評価し、実用化を目指す。環境省の「環境配慮型CCS(CO2回収・貯留)実証事業」に採択された。

 この実証事業で東芝は、グループの発電事業会社、シグマパワー有明が運営する三川発電所(福岡県大牟田市)に、大規模CO2分離・回収設備を設置して実証運転する。同発電所は4万9000kWの出力があり、石炭を燃料にする。同発電所が1日に排出するCO2の50%にあたる500t以上を分離・回収する実証設備を建設する。2020年度の完成を予定している。

 東芝などは、実証設備を通して、CO2分離・回収に関する環境影響評価手法、円滑なCCS導入のための制度や、分離・回収を含むCCS全体のシステムを検討する。三川発電所は現在、バイオマス発電にも対応させる更新工事を実施している。今回建設する実証設備は、バイオマス発電所が排出するCO2を分離・回収する、世界で初めての大規模設備だ。

 CCSは、新設だけでなく既存の火力発電所にも導入できるCO2削減技術で、再生可能エネルギーなどの新規電源と併せて、温暖化対策を推進する技術として期待されている。東芝は、これまでに三川発電所内のパイロットプラントなどで蓄積した技術やノウハウをこの実証事業に生かす。高効率の大規模なCCS技術を実現させて、世界規模で展開していく。

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)
 

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