一般財団法人環境イノベーション情報機構
東京ガス、豊洲埠頭地区に「スマートエネルギーセンター」完成、市場へ供給
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2016.05.26 【情報源】企業/2016.05.24 発表
東京ガスが東京・豊洲埠頭地区に建設したエネルギー供給拠点「東京ガス豊洲スマートエネルギーセンター」が5月23日に完成した。11月の開場を予定する豊洲市場を含む近隣の地域に、熱と電気を効率的に供給する。大型ガスエンジンコージェネレーション(熱電併給)システムで発電した電力を豊洲市場に供給し、廃熱を地域の熱供給に活用する。東京ガス豊洲スマートエネルギーセンターは地下1階、地上5階で高さ約42m、約1万1400m2の延べ床面積がある。出力6970kWの高効率ガスエンジンコージェネのほか、東京ガスの施設で初めてガス圧力差発電(665kW)を導入した。ガス導管の供給圧力を減圧する際の都市ガスの流れでタービンを回転させて発電する。発生する冷熱は熱供給に使う。
さらに、SENEMS(スマートエネルギーネットワーク・エネルギー管理システム)で熱源機のリアルタイムでの最適制御やエネルギーの「見える化」を実現する。熱需要情報や気象状況、曜日特性など、膨大な情報を収集・分析して最適にコントロールする。センターに設置した冷凍機の稼働台数や冷水送水用ポンプの動力などを制御し、省エネを図る。
加えて、BCP(事業継続計画)対応でガスエンジンコージェネに停電の状態で発電機を自立起動させる仕様を採用したうえ、電力の“自営線”敷設と災害に強い中圧ガス導管の活用で、系統電力が停電しても熱と電気を継続して供給する。これらによってCO2排出量の約40%削減を目指すとともに、地域の防災性を高める。将来は新たなセンターも計画する。