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環境ニュース[国内]

大日本印刷、産業向け透明ハイバリアフィルムを開発、有機太陽電池などに利用

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2016.04.05 【情報源】企業/2016.03.31 発表

 大日本印刷(DNP)は、産業用途向けに水蒸気などの透過を防ぐ透明ハイバリアフィルムを開発した。フレキシブルな有機太陽電池や有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレーなどでの利用に適している。独自の化学蒸着技術を応用した。1日1m2の水蒸気透過率が0.0004gと、従来のハイバリアフィルム(0.005g)と比べて10分の1以下になる。
 DNPは透明性の高いバリアフィルム「DNP透明蒸着フィルム(IBフィルム)」を食品包装や輸液バッグなどに展開している。柔軟性がある有機太陽電池や有機ELディスプレーなどで、ガラスの代わりに使用したいとのニーズがあったものの、特別な製造装置や技術が必要で、生産できるフィルムの幅が狭く生産性が低いことから高価格になる課題があった。
 今回DNPは化学蒸着技術を応用するとともに、IBフィルムの量産技術を活用して生産性を高めた。これにより、水蒸気や酸素の透過を防止する性能と透明性や光の透過率を高めた産業用途向けの透明ハイバリアフィルムを開発した。化学蒸着は、真空下で膜の原料のガスを化学反応させてフィルム上に薄膜を形成する。フィルムの伸縮や曲げなどによる劣化が少ない。
 この透明ハイバリアフィルムは水蒸気の透過率が従来品の10分の1以下になり、有機太陽電池や有機ELディスプレーといったガラスの使用が難しい製品に向くほか、透明性が高く無色に近いためディスプレーなどの光学用途にも利用できる。透明性や光の透過率も向上し、全光線透過率は従来品の86.6%から91.0%、曇り度は0.9%から0.7%になった。

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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