一般財団法人環境イノベーション情報機構
清水建設、建物付帯型水素エネルギー利用システムの開発を開始、産総研と共同研究
【エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2016.03.04 【情報源】企業/2016.02.29 発表
清水建設は、建物付帯型水素エネルギー利用システムの開発を開始し、国立研究開発法人の産業技術総合研究所と共同研究する。施設内で使用している再生可能エネルギーの余剰電力を水素に替えて貯蔵し、必要に合わせて放出・発電する水素エネルギーを活用する仕組みについて2年間、研究および開発に取り組む。産総研の再生可能エネルギーに関する新技術研究拠点、福島再生可能エネルギー研究所(福島県郡山市)で開発を進める。水素はCO2排出がないクリーンなエネルギー源で、さまざまなエネルギーから容易に製造できる。将来の2次エネルギーとして中心的役割になると期待されていることから、水素エネルギー利用システムを開発する。
水素エネルギー利用システムは、余剰電力で水を電気分解して水素をつくり、“水素吸蔵合金”で貯蔵して必要に応じて水素を放出させ、酸素との化学反応で電気と熱を取り出す。水素吸蔵合金は、冷却・加圧すると水素を吸収し、加熱や減圧で水素を放出する合金を指す。ガスボンベでの高圧貯蔵と比較して安全で容易に貯蔵できる。
水素吸蔵合金をベースに合金材料や配合比を最適にした。最大で体積の1000倍の水素を吸蔵する合金の特性を活用して、小型で安全な貯蔵手段を確立する。そのうえで再生可能エネルギーの発電状況と建物の電力・熱需要を考慮して、水素の製造、貯蔵、放出を制御する技術を構築する。2020年までに建物や街区への導入を目指す。【清水建設(株)】