住友商事、ブラジルのバイオマス発電向け固形燃料の製造・販売会社に出資参画

【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2016.03.02 【情報源】環境省／2016.02.26 発表

　住友商事は、ブラジルのバイオマス発電向け固形燃料ペレット（小さな固まり）の製造・販売会社、コザンバイオマスに出資参画する。株式の20％を取得して経営に関わる契約を結んだ。同社は世界最大の砂糖メーカー、コザンの子会社で、サトウキビ残さを原料に圧縮成形した固形燃料を独自開発し、世界初の大規模な商業生産を2015年に始めた。
　コザンバイオマスは、製糖工場でサトウキビを圧縮した後の絞りかす（バガス）と、農園でサトウキビ収穫後に残る未利用の茎・葉を使って固形燃料を製造する。コザングループから安定して大量の原料を確保する。年間17万5000tの生産能力がある工場が2015年9月に完成し、同年末に商業生産を始めた。工場はブラジル政府の支援を受けた。
　住友商事の参画で今後、日本や欧州向けの輸出とブラジル国内での販売を広げ、工場を増設する。市場の拡大で収益が確保できる前提で、2025年に年間200万t、将来は800万tの生産体制を目標にする。コザンバイオマスとコザンはサンパウロ州サンパウロ市に本社を置き、同州のサトウキビ残さはペレット換算で4500万tの総量があるとされている。
　住友商事は発電用バイオマス燃料の日本への輸入事業を2008年に始め、国産バイオマス燃料の補完を目的に海外で有望なバイオマス資源の確保を進めている。コザンバイオマスを豊富な資源量による競争力のある安定した確実な供給源と判断して参画を決めた。加えて、バイオマス燃料の消費で先行する欧州市場に参入するための供給源にもする。【住友商事(株)】