一般財団法人環境イノベーション情報機構
川崎重工、西鉄から省エネ型通勤車両を18両受注、駆動システムなどは東芝が納入
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2016.02.09 【情報源】企業/2016.02.04 発表
川崎重工業は、西日本鉄道(西鉄)から新型の通勤車両「9000形」18両を受注した。省エネ型車両を製造し、2016〜2017年度に順次納入する。主要な電気機器に次世代半導体素子「SiC(炭化ケイ素)」を使用してエネルギー効率を高めるほか、照明をLED(発光ダイオード)にする。VVVFインバーター装置を組み合わせた駆動システムなどの電気品は東芝が納入する。9000形車両は、川崎重工が1975〜1991年に納入した「5000形」車両の置き換えで納入する。2006年〜2016年1月に納入した「3000形」車両を基に、性能向上と省エネを図った環境配慮型だ。車両制御装置、補助電源装置にSiCを適用したインバーターを採用する。LEDは車内照明、前照灯、尾灯など全照明装置に導入する。
これらによって5000形車両と比べ約50%の省エネを実現する。車体の材質には3000形車両と同様のステンレスを使い、軽量化に伴う消費電力削減と塗装作業削減で、環境負荷を低減した。車両の前面と側面にある行き先表示器もフルカラーLEDにして、省エネとともに視認性を向上させる。窓ガラスはUV(紫外線)カットにする。
車内の各扉の上部には液晶画面を2つ配置し、日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語表記で案内を表示する。優先スペースと一般部との識別を容易にするなど車内のバリアフリーも拡充する。西鉄は18両の9000形車両を7編成で運用する。天神大牟田線=西鉄福岡(天神)−大牟田=の普通、急行電車で2017年3月に運行を始める。【川崎重工業(株)】