一般財団法人環境イノベーション情報機構
東京ガス、福島県いわき市に建設した小名浜サテライトが営業運転開始、同県初
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2016.01.08 【情報源】企業/2016.01.05 発表
東京ガスが、福島県いわき市に建設していた小名浜サテライトが完成し、営業運転を1月1日に始めた。東京ガスが同県に自社運営のサテライトを造って天然ガスを供給するのは初めてだ。サテライトは、既存のガス導管からの延伸が難しい地域に天然ガスを供給するためのガス製造所で、貯蔵したLNG(液化天然ガス)を気化して供給する。小名浜サテライトは、酸化チタン大手の堺化学工業小名浜事業所内に設けた。約3430m2の敷地面積があり、フレキシブルホース3口を備えるタンクローリー受け入れ設備と、1000kLの“縦置き円筒型”のLNG貯蔵タンク1基、1時間あたり6.4tの能力のLNG気化器2基で構成する。LNGは袖ケ浦LNG基地(千葉県袖ケ浦市)からタンクローリーで輸送する。
小名浜サテライトで製造した天然ガスは、新たに建設した総延長3.9kmのガス中圧導管、小名浜中圧ラインを通じて周辺顧客に供給する。天然ガスは、石油や石炭と比較して燃焼時のCO2や窒素酸化物(NOx)の排出量が少ないうえ、硫黄酸化物(SOx)の排出もほとんどなく、環境負荷が小さい。東京ガスは今後もLNGの供給を全国に拡大する。
小名浜サテライトがある堺化学工業小名浜事業所は、サテライトが完成したことから、生産設備で使う蒸気ボイラーに天然ガスを受け入れ、重油からの燃料転換を始めた。堺化学工業は、環境負荷の低減を目的に重油に変わるエネルギーを検討し、いわき市で天然ガス供給を計画する東京ガスと協議して事業所内へのサテライト建設が決まった。【東京ガス(株)】