一般財団法人環境イノベーション情報機構
住友電工、北海道電力とともに南早来変電所で大型蓄電システムの実証試験開始
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2016.01.06 【情報源】企業/2016.01.04 発表
住友電気工業は、北海道電力とともに南早来変電所(北海道安平町)で大型蓄電システムの実証試験を12月25日に始めた。2019年3月まで実施する。風力や太陽光発電の出力変動に対する、新たな調整力としての性能を調べるとともに、最適な制御技術を開発し、再生可能エネルギーの導入拡大につなげる。2013年7月から設置工事を進めてきた。大型蓄電システムは定格出力1万5000kW、容量6万kWhのレドックスフロー電池で、同電池で世界最大級の規模がある。同電池は住友電工が開発した。バナジウムなどイオンの酸化還元反応で充放電し、電極や電解液の劣化がほとんどなく長寿命なうえ、発火性材料を使わないことや常温運転可能で安全性が高く、電力系統用蓄電池に適している。
実証試験では、蓄電池を周波数調整用電源とみなした“周波数変動抑制制御手法”を開発する。これまでの火力発電や水力発電による周波数調整機能と大型蓄電システムを組み合わせて効果を検証する。加えて、風力や太陽光発電の出力予測に基づいて効果的に運転し、再生可能エネルギーの出力増に伴って発生する余剰電力の減少効果を評価する。
レドックスフロー電池の性能やシステムの効率なども調べる。蓄電池を制御するシステムを“中央給電指令所”に設置し、そこからの制御指令でレドックスフロー電池を充放電して、周波数の変動を抑制する。実証試験は、経済産業省が一般社団法人新エネルギー導入促進協議会を通じて募集した「大型蓄電システム緊急実証事業」に採択されている。【住友電気工業(株)】