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環境ニュース[国内]

川崎重工、水素燃料の専焼ガスタービンで水や蒸気を使わない低NOx技術を開発

エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2015.12.24 【情報源】企業/2015.12.21 発表

 川崎重工業は、100%の水素を燃料にした水素専焼ガスタービンで、従来必要だった水や蒸気を使うことなく、低NOx(窒素酸化物)で燃焼できる技術を開発した。さらに研究を進めて2017年の燃焼機の完成を目指し、ガスタービンに搭載して技術を確立する。水素に関連する製品開発の一環で、ドイツで実施した燃焼試験で性能を確認した。
 開発したのは「水素専焼ドライ・ロー・エミッション(DLE)燃焼技術」だ。DLEは、水や蒸気の噴射なしで、燃焼温度を低く制御するNOx排出量削減方式を意味する。ガスタービンでの水素燃焼は、燃焼速度の速さから不安定になりやすいうえ、火炎の温度が高い。このためNOxの発生量が天然ガス燃焼時の2倍近くにのぼり、課題とされている。
 川崎重工は、微小な水素火炎を使用して不安定な燃焼を抑制すると同時に、低NOxの燃焼を可能にするDLE燃焼の基礎研究に取り組んでいる。2014年度からは国立研究開発法人科学技術振興機構の委託を受け、微小な水素火炎を使うガスタービン燃焼器の開発を推進している。ガスタービンを構成する燃焼機中の低NOxバーナーで微小な水素火炎にする。
 今回、ドイツの大学の高温・高圧燃焼試験設備で燃焼試験を行った。その結果、NOxの発生量が40ppmと、大気汚染防止法規制値の84ppmを大きく下回ることを確認した。川崎重工は将来の水素エネルギーの普及に向けてさまざまな製品を開発している。水素ガスタービンは、環境に配慮したエネルギー供給システムを構築する重要な役割を担う。【川崎重工業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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