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環境ニュース[国内]

王子ホールディングス、バイオプラスチックにもなる化合物の連続製造技術を確立

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2015.12.18 【情報源】企業/2015.12.16 発表

 王子ホールディングスは、バイオプラスチックにもなる化合物「フルフラール」の連続製造技術を確立し、商業生産を可能にした。木材チップから「溶解パルプ」を製造する際に連続的に分離される物質、ヘミセルロースから作る。ヘミセルロースは木材主成分のセルロース(繊維素)とともに存在する多糖類の一種で、“擬繊維素”とも呼ばれる。
 溶解パルプは傘下の王子製紙米子工場(鳥取県米子市)で生産している。セルロースの純度を高めて製造するため、一般の製紙用パルプのセルロース含有量が85%程度なのに対し、90%以上ある。主に衣料品のレーヨンやアセテートの原料になる。フルフラールは、溶解パルプのセルロース純度を高める過程で取り除く、ヘミセルロースで作る。
 フルフラールは主に石油や潤滑油を精製する時の溶剤に使用される。化石資源からバイオマス原料への切り替えが世界的に推進される中で注目され、フルフラールからバイオプラスチックや、ポリウレタン、PETなどの汎用(はんよう)化成品を製造する研究が国内外で進められている。確立した連続製造技術は今後の用途開発を後押しする。
 米子工場ではヘミセルロースを連続的に抽出し、実証設備で反応、精製してフルフラールを製造する。製品中に含まれるフルフラール純度98.5〜99.0%、同水分割合0.013〜0.200%、液体が最初に沸騰する温度150.0〜156.0℃、最高到達温度162.5〜170.0℃の範囲で品質を確認した。2016年4月のサンプル提供と試験販売開始を計画している。【王子ホールディングス(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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