一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱重工、埼玉新都市交通の伊奈線向け新型車両の納入を開始、軽量化で省エネ
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2015.11.05 【情報源】企業/2015.10.30 発表
三菱重工業は、埼玉新都市交通(埼玉県伊奈町)が運営する新交通システム、伊奈線(ニューシャトル)向けの新型車両「2020系」の納入を始めた。車両を大幅に軽量化して省エネにつなげる。既存車両の更新用で、第1弾で納入した1編成(6両)が11月4日に営業運転を開始する。次世代の車両用シート「G-Fit」の採用で快適性も高めた。2020系は、車体の外側と内側の板の間に段ボールのように補強部材を入れ、骨組みなしで強度を確保する仕組み「ダブルスキン構造」のアルミ構体を採用した。これにより軽量化を図り、既存車両に比べて1両あたり1t以上軽くした。車体の断面は、理想的なシートの傾きを基準に、車内が最も広くできる六角形にし、合理性と快適性を備える。
台車は軽量で耐久性が高く、低振動、低騒音の新型を使った。G-Fitはバケット形状の背もたれを肩の高さまで伸ばすとともに後ろに15度傾けて保持性能を向上させている。ニューシャトルは1983年の開業で、初期に導入した7編成(42両)の更新を進めている。三菱重工は今回2020系を3編成(18両)受注し、2016年にかけて切り替えられる。
ニューシャトルは大宮駅(さいたま市大宮区)−内宿駅(伊奈町)の間約13kmを結び、東北・上越新幹線の高架に沿って敷設されている。新交通システムはゴムタイヤを使うため騒音・振動による沿線環境への影響がない。三菱重工は、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)や東京都交通局の日暮里・舎人ライナーにも新型車両を納入している。【三菱重工業(株)】