一般財団法人環境イノベーション情報機構
三菱重工・川崎重工、LNG運搬船を中部電力出資会社向けに受注、高い燃費性能
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2015.09.14 【情報源】企業/2015.09.09 発表
三菱重工業と川崎重工業は、LNG(液化天然ガス)運搬船を中部電力が共同出資する船舶保有会社向けに2隻ずつ受注した。両社とも高い燃費性能を発揮する船を建造する。いずれも中部電力が参画する米国テキサス州のフリーポートLNGプロジェクトに使われ、米国で産出されるシェールガスを輸送する。船は2018年の完成・引き渡しを予定している。船舶保有会社は、中部電力が商船三井、日本郵船それぞれと折半出資している。今回、商船三井、日本郵船との共同出資会社が三菱重工と川崎重工それぞれの運搬船を採用した。フリーポートLNGプロジェクトは、米国産のシェールガスなどの天然ガスを基地で受け入れて精製・液化し、年間で最大1320万tのLNGを生産する。2018年ごろに稼働を始める。
三菱重工は次世代型「サヤリンゴSTaGE」を建造する。船体と一体構造のカバーでタンクを覆うことで船全体の強度を確保しながら軽量化するとともに、航行中の風の抵抗を軽減する。推進機関は蒸気タービンとガスだき可能なエンジンを組み合わせ、エンジンの排熱を蒸気タービンで有効利用して効率を高める。タンクは18万m3の総容積がある。
川崎重工は北米のシェールガスプロジェクト用に開発したLNG運搬船を造る。船体構造とタンクの形状を改良し、従来型よりタンクの容積を増やして17万7000m3にした。油とガスの2元燃料ディーゼルエンジンで発生する電力を使ってモーターを回す「DFD電気推進システム」と名付けた仕組みを導入する。これによって幅広い速域で燃費性能を高める。【三菱重工業(株)】