一般財団法人環境イノベーション情報機構
積水化学、滋賀県流域の下水道管路で下水熱利用研究を県や関西電力などと実施
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2015.09.08 【情報源】企業/2015.09.03 発表
積水化学工業は、滋賀県琵琶湖流域の下水道管路で下水熱利用研究を行う。同県や関西電力、水道関連コンサルティングの日水コン(東京・新宿区)とともに事業の可能性を検討する。多くの熱を使う工場をはじめとする産業用施設への熱供給を想定する。県が流域下水道の新技術開発で企業との共同研究を募集し、積水化学を代表に3社が申請して承諾された。流域下水道管路は、各市町村が管理する下水を集めて処理するための下水道を指し、都道府県が管理する。複数の自治体にまたがるため大規模な管路が設置されている。流量が多く、利用の可能性がある熱量が大きいことから、温室効果ガスの排出量削減が期待できる。流域下水道管路の下水を熱源に、対象を産業用施設にする官民共同研究は全国で初めての取り組みだ。
これまでの下水熱利用は、下水処理場やポンプ場周辺で実施されるケースが大半で、自治体関連の業務用施設に熱供給していた。今回は流域下水道管路を活用し、各社が保有する技術・ノウハウを集めて大規模利用を前提にする。特性の整理、製造分野での需要家探索、利用先を想定した事業可能性の検討と評価、事業の枠組みと料金設定を研究する。
2016年3月まで検討し、結果を踏まえて次年度以降に実機を設置する。下水の水温は大気に比べて冬は暖かく夏は冷たい特性があり、気温との温度差エネルギーを利用する。製造分野での熱利用では、高効率の下水熱ヒートポンプシステムを導入し、温水をつくるとともに蒸気ボイラーの給水を予熱することで、ボイラーの燃料使用量を削減する。【積水化学工業(株)】