一般財団法人環境イノベーション情報機構
東レ、日本航空などと熱中症防止へ作業者安全システム実証、機能性素材を活用
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2015.08.19 【情報源】企業/2015.08.17 発表
東レは、日本航空、NTTコミュニケーションズとともに、熱中症防止に向けた作業者安全管理システムの実証実験を那覇空港(那覇市)で8月17日に始めた。東レなどが開発した機能性繊維素材「hitoe(ヒトエ)」を活用する。温暖化で気温上昇が進む中、空港地上エリアの作業環境が厳しくなっていることから、安全な環境の整備を目指す。hitoeは着るだけで心拍数・心電波形などの生体情報が取得できる機能素材で、東レとNTTが開発した。最先端繊維素材のナノファイバー生地に高導電性樹脂を特殊コーティングし、生体信号を高感度に検出できるようにした。耐久性に優れ、肌へのフィット性や通気性なども備える。日本航空は実験の結果を踏まえてシステム導入を検討する。
実証実験は、荷物の輸送や航空機誘導など、空港での地上支援業務に従事する作業者を対象に、暑さ対策を検証する。hitoeを搭載するウエアを着用した作業者の心拍数などのデータをリアルタイムに取得して分析し、遠隔モニタリングの有用性を調べる。その後、他のエリアの空港でも熱ストレス、リラックス度、消費エネルギーなどを検証する。
東レとNTTコムが協働する「機能繊維素材“hitoe”を活用した作業者安全管理サービスの実用化に向けた取り組み」の一環として実証実験する。サービスは、hitoeウエア、トランスミッター(送信器)、安全管理システムで構成する。今回の空港での実証を機に幅広い業界・職種での導入を目指し、東レが2015年度中にサービスを事業化する。【東レ(株)】