一般財団法人環境イノベーション情報機構
大和ハウス、大気汚染物質を浄化する壁面緑化システムを開発、植物や土壌が分解
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2015.08.14 【情報源】企業/2015.08.05 発表
大和ハウス工業は、大気汚染物質を浄化する「大気浄化壁面緑化システム」の販売を8月6日に始めた。同システムは、グループで規格建築・環境緑化事業を手掛ける大和リースと共同開発した。汚染された空気をファンで吸い込んで汚染物質を土壌層に吸着させ、植物や土壌の微生物がNO2(二酸化窒素)やPM2.5(微小粒子状物質)を分解・浄化する。大気浄化壁面緑化システムは、土壌層を壁面にするため省スペースで、都市部などの狭い場所にも設置できるようにした。土壌層を使う一般的な緑化システムは地面に設けるため広い敷地が必要で、都市部には向いていないとされていた。壁面の土壌層によって建築面積は、水平に土壌層を設置する従来型と比べ約5分の1になる。
システムは、吸い込んだ汚染空気に含まれる多くの汚染物質を土壌内の水分に吸着させた後、土壌の微生物が汚染空気の一部を分解してNO2などを無害な窒素にして放出する。植物も栄養源として汚染物質を吸収する。微生物が分解を続けることで持続的効果が見込め、半永久的に浄化が可能になる。NO2を約90%、PM2.5を約65%削減する。
NO2は1m2当たりでアイドリング中の自動車約10台分の排ガスが削減できることになる。環境省の調査で自動車の排ガスなどによって都市部でNO2の基準が達成できていないことが課題になっていることから開発した。幹線道路沿いの立体駐車場、物流施設、工場、商業施設、オフィスビルなどに提案する。本体工事価格は1m2で20万円(税別)からで、電気代・かん水代・メンテナンスなどに年間同4000円程度かかる。【大和ハウス工業(株)】