一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、省エネ型永久磁石同期モーターの駆動システムがシンガポール鉄道に採用
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2015.08.06 【情報源】企業/2015.08.03 発表
東芝の省エネ型永久磁石同期モーター(PMSM)を使用した駆動システムが、シンガポールの鉄道車両に採用された。回転子に永久磁石を使うことで高いエネルギー効率を達成している。駆動システムは同国の鉄道事業者、SMRTの「C651系」車両19編成に搭載する。SMRTのエンジニアリング子会社と東芝の合弁会社、レイルライズを通して納める。PMSMは軽量でエネルギー効率の高い省エネ型モーターで、97%以上の効率を誇る。モーター内部の発熱量が減るため、モーター内部を密閉して自己放熱で本体を冷やす「全密閉・自冷式」の冷却方式を採用した。これによって騒音低減とメンテナンスの簡素化も実現する。レイルライズは世界でのPMSMの販売拡大を目的に、2014年10月に設立した。
PMSMを使った駆動システムは、SMRTが運営するMRT(マス・ラピッド・トランジット)の路線を走行する更新車両に搭載する。路線はジュロン・イーストとマリーナベイ間約45kmの「ノース・サウス・ライン」と、ジュークーン−パシリス間約57kmの「イースト・ウェスト・ライン」だ。レイルライズへの納入開始は2016年を予定している。
東芝は、2013年7月にはSMRTの「C151系」車両の駆動システムを396車両分受注した。レイルライズは東芝の鉄道システム用製品・技術と、SMRT子会社のノウハウなどを融合し、省エネが求められる世界の車両更新需要をターゲットに事業を展開している。東芝はシンガポールでの実績を基に、PMSMなど省エネ性能の高い鉄道システムの提案を進める。【(株)東芝】