一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、MBR下水処理システムの省エネ技術をクボタと共同開発、両社の技術を融合
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2015.07.13 【情報源】企業/2015.07.09 発表
東芝は、MBR(膜分離活性汚泥法)下水処理システムの省エネ技術をクボタと共同で開発することで合意した。両社の技術を融合させることで、クボタのMBR下水処理システムの電力使用量を従来比で50%削減することを見込む。MBRは、微生物による生物処理と膜を使った固液分離処理を組み合わせた水処理方法を指す。MBR下水処理システムは、従来の処理施設より省スペース化が可能で安全性の高い処理水質が確保できる。国内ではこれまで小規模の新設処理場に導入されてきたが、老朽化処理場の更新や処理水の再利用、下水道未普及地域の解消などで注目されている。今後、中・大規模処理場への導入を広げるためには電力使用量の削減が大きな課題になっていた。
MBR下水処理システムでは、膜分離装置や反応タンクに空気を供給する送風機の電力使用量が処理施設全体の9割以上を占める。共同開発では、東芝が持つプロセス制御を中心にしたソフト技術と、クボタの膜ユニットなどハード技術を合わせる。各下水処理場で異なる運転状況に応じて供給する空気量を最適化する制御技術を確立する。
この制御技術を高性能の膜分離装置と組み合わせ、1m3あたりの電力使用量0.22kWhを目指す。国土交通省のプロジェクトでは同0.47kWh、日本下水道事業団は開発研究目標値を同0.4kWhにしている。東芝とクボタは共同開発によって、閉鎖性水域の富栄養化防止や環境基準達成に向けて高度処理の導入を検討する施設にシステムを広げる。【(株)東芝】