一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、小型地熱発電設備が熊本県小国町の地熱発電所で初の営業運転を開始
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2015.07.07 【情報源】企業/2015.07.02 発表
東芝の小型地熱発電設備「Geoportable(ジオポータブル)」が、熊本県小国町の地熱発電所で初めての営業運転を6月16日に始めた。日本で約16年ぶりのメガワットクラスの地熱発電所となる。地元住民で構成する会社が事業主体になり、電力関連事業の中央電力(東京・千代田区)グループで地熱事業の中央電力ふるさと熱電に業務を委託した。ジオポータブルの初号機を納入したのは「わいた地熱発電所」で、2MW(2000kW)近い1995kWの出力がある。ジオポータブルは1〜2MW(1000〜2000kW)に対応した小型地熱用の蒸気タービン・発電機のセットとなり、コンパクトで据え付け工期が短いことを特長にする。長さ約11m、幅約2.4mに発電機、蒸気タービン、油ポンプなどの設備が収まる。
わいた地熱発電所は熊本県と大分県にまたがる涌蓋山(わいたさん)一帯のわいた温泉郷に位置する。大規模資本が運営する発電所と異なり、地元が中央電力ふるさと熱電に許認可関係から建設、運営まで委託して電力会社に売電する。1500kWを超える地熱発電所は、1999年に運転開始した東京電力の八丈島地熱発電所(東京都八丈町)以来という。
東芝は1966年に日本最初の地熱発電所、松川地熱発電所(岩手県八幡平市)に20MW(2万kW)の地熱蒸気タービン・発電機を納入して以来、北米、中南米、東南アジア、欧州などに52台、約3400MW(340万kW)の地熱発電設備を供給した。シェアは24%でトップに立っている。今後も世界で受注活動を進め、再生可能エネルギーの安定供給につなげる。【(株)東芝】