一般財団法人環境イノベーション情報機構
大日本印刷・東芝、両社のグループ工場がハマカンゾウの生息域外保全活動を開始
【環境一般 CSR】 【掲載日】2015.07.07 【情報源】企業/2015.07.03 発表
大日本印刷(DNP)と東芝両社の、神奈川県にあるグループ工場が、ユリ科の植物、ハマカンゾウの生息域外保全活動を始めた。近接した事業所の連携による生物多様性保全の取り組みだ。DNPグループで包装製品のDNPテクノパック横浜工場(横浜市都筑区)が、東芝グループで照明機器の東芝ライテック横須賀工場(横須賀市)から30株譲り受けて移植した。東芝ライテックは三浦半島の緑地、小網代(こあじろ)の森で盗難被害を受けているハマカンゾウの保全を2012年5月から行っている。DNPテクノパックは、東芝ライテックとともに保護・育成に取り組み、本来の生息地の小網代の森への返還を目指す。東芝ライテック横須賀工場で朝掘り起こした株を、その日のうちにDNPテクノパック横浜工場に移した。
ハマカンゾウは、DNPテクノパック横浜工場に設けた花壇に6月29日に移植した。進化生態学者の岸由二・慶応大学名誉教授の指導を受けて両社の代表らが株を植えた。花壇の枠には、物流で使われるパレット(荷役台)の廃材を活用した。移植後は、岸名誉教授が小網代の森について講演し、参加者らが生物多様性保全の活動に関して意見交換した。
ハマカンゾウは暖かく日当たりのいい場所に生育する常緑多年草で、関東地方以西に分布し、夏に花を咲かせる。小網代の森は約70haの面積があり、源流から海までの生態系が自然のまま残り、さまざまな動植物が生息する。DNPと東芝は、国内6カ所で互いの敷地を活用した生態系ネットワーク構築や、希少動植物の生息域外保全を展開している。【大日本印刷(株)】