一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、日立、住友電工など、「次世代洋上直流送電システム」の共同開発を開始
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2015.07.03 【情報源】企業/2015.06.30 発表
東芝、日立製作所、住友電気工業、東京電力、東京大学など10法人は、「次世代洋上直流送電システム」の共同開発を始める。提案が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択された。複数の発電所で発電した電力を、洋上変電所を介して陸上まで長距離送電する基盤技術を確立する。これにより、大規模洋上風力発電所の導入拡大を目指す。東京電力を幹事会社にして、6月から2020年3月まで共同で開発を進める。今後の大規模洋上風力発電所には、陸上の電力系統と連系するために信頼性が高く低コストの送電システムが必要になることから、実施する。複数の洋上風力発電所で発電した電力を複数の洋上変電所で集電・直流変換し、複数の陸上変電所へ送電する多端子直流送電システムを開発する。
洋上変電所間や陸上変電所とを送電ロスが少ない直流で送電することで、発電電力を効率的に長距離送電できる。加えて、大規模需要地から離れた発電に適した場所に設ける複数の洋上風力発電所から、陸上変電所を新設せずに電力系統に送電することが可能になる。東芝は、大容量直流遮断器と多端子直流送電システムの仕様標準化技術などの開発・検討を担当する。
日立は洋上風力発電所の設置に適した地域の調査・検討を行う。併せて大容量送電システムに接続する場合に想定される各種のケースを比較し、高周波変圧器の設計・製造の具体的な課題を抽出するとともに、互換性を確保した高圧直流送電技術を開発する。開発にはほかに、古河電気工業、大林組、電力中央研究所、東京電機大学、大阪工業大学が参加する。【(株)日立製作所】