一般財団法人環境イノベーション情報機構
帝人、EVレーシングカーに炭素繊維を提供、車両を軽量化して米国レースに参戦
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2015.06.24 【情報源】企業/2015.06.22 発表
帝人は、EVレーシングカー用に、グループで炭素繊維事業の東邦テナックス製の炭素繊維を提供した。EVレーシングカーは電気自動車(EV)関連企業で組織する一般社団法人電気自動車普及協会(APEV)と、競技用自動車企画・製造のタジマモーターコーポレーション(東京・中野区)の共同プロジェクトで使用する。車両を軽量化して米国で開催のレースに参戦する。同プロジェクト「TEAM APEV with MONSTER SPORT(チームAPEVウイズ・モンスター・スポーツ)」は、タジマモーターコーポレーションが新型EV車両を製造し、米国コロラド州で6月22〜28日に開かれる「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に参加する。東邦テナックスの炭素繊維「プリプレグ」が採用された。
プリプレグは炭素繊維、ガラス繊維などに熱硬化性樹脂を含ませた素材で、ゴルフシャフト、釣り竿など身近な製品から航空機やロケットまで幅広く使われている。帝人はプリプレグの提供によってEVレーシングカーの安全性や設計の自由度向上、車体軽量化に貢献した。レースは1916年に始まり、1439mの標高差を駆け上がって競う。
同プロジェクトは2012年の初参戦以来、環境の保全とEVの普及を訴えてきた。今回が4回目の挑戦となり、初めてのEVでの総合優勝を目標に車両を製作した。帝人は、航続距離の延長が課題とされる環境対応型自動車の軽量化を自動車用の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で実現し、CFRPの事業展開をさらに加速させる。【帝人(株)】