一般財団法人環境イノベーション情報機構
凸版印刷、古河電池と開発した非常用マグネシウム空気電池が「第39回木下賞」
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2015.06.04 【情報源】企業/2015.06.01 発表
凸版印刷が古河電池と開発した非常用マグネシウム空気電池「MgBOX(マグボックス)」が、公益社団法人の日本包装技術協会(JPI)が主催する「第39回木下賞」の「新規創出部門」で受賞した。マグボックスは両社の技術を融合して開発した電池で、水や海水を入れるだけで発電でき、使用後の廃棄を容易にするために紙製の容器を使った。マグボックスは、非常用使い捨て電池のコンセプトで、液体紙製容器の包装技術を活用して新たな製品を開発した点が評価され、受賞した。災害時の携帯電話の電池切れによる情報遮断を防ぐことを目的にしている。古河電池は2011年3月の東日本大震災被災地の福島県いわき市に工場があり、その時の経験を生かして凸版印刷と共同開発した。
負極物質に難燃性マグネシウム、正極物質に空気中の酸素を使い、水や海水を投入すると発電する。USBの出力端子を2個備え、スマートフォン(多機能携帯電話)の充電に適している。300Whの容量がありスマートフォンを最大30回充電できる。紙製容器でできたマグネシウム空気電池は世界で初めてとなる。2014年12月に自治体や企業向けに発売した。
木下賞は包装関連企業などで組織するJPIが、第2代会長の故木下又三郎氏の功績を記念して設定した。包装技術の研究・開発や包装の合理化・改善・向上に業績があった製品などを毎年表彰する。5月29日に表彰が行われた。新規創出部門は包装の新規分野創出を対象にする。ほかに研究開発部門と改善合理化部門がある。凸版印刷は9年連続で受賞した。【凸版印刷(株)】