一般財団法人環境イノベーション情報機構
日本製紙、熊本の工場敷地内にバイオマス発電所が完成、未利用材を100%使用
【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2015.05.29 【情報源】企業/2015.05.27 発表
日本製紙が熊本県八代市の八代工場敷地内に建設したバイオマス発電所が完成した。燃料には、間伐材などが由来になる未利用材を100%使用する。6月に営業運転を始め、発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(間伐材等由来の木質バイオマス)を活用して九州電力に売電する。5月27日に完成式を開催した。「総合バイオマス企業」を目指して力を入れるエネルギー事業拡大の一環で造った。5000kWの出力があり、年間で約7万tの木質バイオマスチップを燃料に使う。日本製紙グループが木材を調達している地元の木材チップ製造会社や、日本製紙子会社で木材関連の日本製紙木材の集荷網を生かし、九州で発生する間伐材を利用する。
日本製紙は国内に400カ所、約9万haの社有林を保有する。うち2割の約1万8000haは九州にあり、熊本、宮崎、鹿児島の南九州地域に集中している。バイオマス発電所ではこれらの森林経営をはじめとした山林事業のノウハウや、安定した品質のチップを生産する技術、製紙工場での自家発電技術を活用しながら発電事業を進める。
固定価格買い取り制度は、木材として利用されることなく切り捨てられた間伐材や、伐採現場で丸太に加工する際に山に残される枝葉、木の先端の細くて使えない部分などを燃料にする区分があり、一般の木質バイオマスより高い買い取り価格となる。日本製紙は再生可能エネルギーでほかに大規模太陽光発電事業も展開している。【日本製紙(株)】