一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝など、下水処理施設から発生する消化ガスのCO2を活用する実証事業を実施
【エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2015.05.18 【情報源】企業/2015.05.13 発表
東芝は、地方共同法人日本下水道事業団、佐賀市、微細藻ミドリムシ関連事業のユーグレナなどと、下水処理施設から発生する消化ガス(バイオガス)のCO2を有効活用する実証事業を実施する。共同提案が国土交通省の「下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」に採択された。参画する団体・企業で実証事業に関する合意書を結んだ。共同提案は「バイオガス中のCO2分離・回収と微細藻類培養への利用技術実証事業」で、東芝が代表として実証事業全体を取りまとめる。上下水道コンサルティングの日水コン(東京・新宿区)、下水道処理施設設計・施工の日環特殊(山口県下関市)を加えた6者の共同研究体が、佐賀市下水浄化センターで行う。2016年3月までを予定している。
実証事業は、下水処理施設の未利用資源の活用と高付加価値資源の創造が目的だ。下水汚泥の消化ガス中のCO2を高濃度で分離・回収して藻類の培養に利用するとともに、脱水分離液を藻類培養に必要な栄養源に使用する。東芝はCO2の分離・回収技術を担当し、ユーグレナが藻類の培養と、培養による下水中の窒素やリンの低減効果を検討する。
ユーグレナは併せて、培養した藻類の飼料や肥料への利用可能性も調べる。東芝が参画するプロジェクトが下水道革新的技術実証事業に採択されるのは、2014年の効率的水処理運転管理技術に続いて2年連続となる。今後も積極的に関わり、新技術の確立を図ると同時に、実証の成果を基に下水道を含む都市インフラソリューション構築の提案を進める。【(株)東芝】