一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝、川崎市の再生可能エネルギーと水素のエネルギー供給システムが運転開始
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2015.04.23 【情報源】企業/2015.04.20 発表
東芝が川崎市とともに同市川崎区の臨海部にある公共施設「川崎市港湾振興会館(川崎マリエン)・東扇島中公園」に設置を進めてきた、再生可能エネルギーと水素の自立型エネルギー供給システム「H2One(エイチツーワン)」が完成した。4月20日に実証運転を始めた。水と太陽光だけで稼働し、災害時は300人に約1週間分の電気と温水が供給できる。2021年3月まで実証する。H2Oneは、太陽光発電設備、蓄電池、水素を製造する水電気分解装置、水素貯蔵タンク、燃料電池などで構成する。太陽光発電設備でつくった電気を使って水を電気分解し、発生させた水素をタンクに貯蔵して、電気と温水を供給する燃料電池に活用する。川崎マリエンは周辺地域の帰宅困難者の一時滞在施設に指定されていて、災害時にH2Oneで電気と温水を供給する。
システムはコンテナ型パッケージの形状で、トレーラーで被災地に輸送することもできる。平常時は、水素の製造量、蓄電量、発電量などを最適に制御する水素エネルギー管理システム(水素EMS)で電力のピークシフト・ピークカットを図る。実証運転では、災害時の水素BCP(事業継続計画)システムと平常時の水素EMSの有効性を検証し、システムの高効率化を進める。
今後、効率を高めたうえで水素備蓄機能をさらに強化し、完全な地産地消型のエネルギー供給システムとしての展開を予定する。H2Oneの実証運転は、東芝と川崎市が2013年に結んだスマートコミュニティ−(環境配慮型地域)の実現に向けた連携・協力に関する協定に基づいて取り組む。同協定では、エネルギーのほか交通、生活などの分野で連携している。【(株)東芝】