日立製作所、英国鉄道システム会社が同国の鉄道路線用に標準型近郊車両を納入

【大気環境 交通問題】 【掲載日】2015.03.17 【情報源】企業／2015.03.12 発表

　日立製作所の英国鉄道システム事業会社、日立レールヨーロッパは、英国北部に位置するスコットランドの鉄道路線用に、標準型近郊車両「AT-200」を納入する。路線を運営するオランダの鉄道運行会社、アベリオと、車両234両（70編成）の納入、10年間の車両保守に関して正式に契約した。AT-200の受注を獲得したのはこれが初めてだ。
　日立は3両編成の電車46編成と4両編成電車24編成を納入する。エディンバラ〜グラスゴー路線とスターリング〜アロア〜ダンブレーン路線で使われる。2017年に営業運行が始まる。車両の保守はエディンバラ周辺の車両基地を利用して提供する。アベリオは英国の鉄道で多くの運行実績があり、スコットランドでの運行フランチャイズ権を得ている。
　AT-200は、最高速度が時速160kmで車両の長さは23m、耐用年数は35年で、車両後方部と連結部分に乗客が利用できる広いスペースを確保している。テーブル、トイレ、LED（発光ダイオード）照明、空調を標準装備するほか、全座席に電源コンセントと無線インターネットを備える。設計の最適化によって部品点数削減や軽量化を実現した。
　スコットランド運輸省は「スコットランドで最も交通量の多いルートに新しい車両を導入することは、乗客に良質なサービスを提供するだけでなく、CO2排出量の削減にもつながる」とコメントしている。70編成のうち最初の7編成は笠戸事業所（山口県下松市）で造り、残りは2015年中の操業開始を予定する英国内の鉄道車両工場で製造する。【(株)日立製作所】