一般財団法人環境イノベーション情報機構
コマツ、主力工場の粟津工場にバイオマス蒸気ボイラーシステム設置、稼働開始
【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2015.03.12 【情報源】環境省/2015.03.09 発表
コマツは、国内主力工場の1つで石川県小松市の粟津工場の敷地内に、バイオマス蒸気ボイラーシステムを新たに設置した。4月から本格稼働を始める。同県の未利用間伐材の木材チップを燃料に使用する。ボイラーからの蒸気を発電に利用するとともに、排熱を空調などに最大限活用することで高いエネルギー効率を実現する。新設したバイオマス蒸気ボイラーシステムは、バイオマスボイラー4台、蒸気コンプレッサー(圧縮機)、蒸気式発電機2台などで構成される。設備投資額は約4億円となる。発電・排熱で3200kWのエネルギーを発生させ、年間購買電力量を約150万kWh削減する効果がある。燃料に使用する年間7000tの木材チップは地元の森林組合が供給する。
このシステムの稼働によって、粟津工場敷地内に2014年5月に完成した新組立工場が目標にする年間購買電力量の90%以上削減を2015年度に達成する。ボイラーで発生させた蒸気は蒸気コンプレッサーを通して工場の機械動力などに使い、排蒸気で発電して組み立て動力、照明、空調に活用する。さらにその排蒸気を冷暖房に利用する。
バイオマス蒸気ボイラーシステムの取り組みは、コマツと石川県、同県森林組合連合会との間で2014年2月に締結した「林業に関する包括連携協定」の最初の具体的な活動となる。地元の未利用の間伐材を中心にした循環サイクルを生み出すことで地域を活性化することが狙いとなり、エネルギーコスト低減と地方創生の両立を目指す。【(株)小松製作所】