一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝燃料電池システム、次世代型の純水素型燃料電池の実証試験を山口県で開始
【エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2015.03.11 【情報源】企業/2015.03.09 発表
東芝グループで燃料電池製造の東芝燃料電池システムは、次世代型の純水素型燃料電池の実証試験を山口県周南市で3月21日に始める。同市内の徳山動物園と市地方卸売市場に設置する。実証を通して2017年まで稼働データを収集すると同時に、運転の方法や適用の利点などを検証し、一層の効率化を目指す。東芝燃料電池システムは今回、出力700Wの純水素型燃料電池を開発し、世界最高水準となる50%を超える発電効率を達成した。純水素型燃料電池は、水素をそのまま燃料とするため、CO2を全く発生させることなく発電できる。業界トップシェアという家庭用燃料電池「エネファーム」の技術を応用した。実証システムの貯湯ユニットは長府製作所の従来型エネファーム向けを使用する。
加えて、1〜2分の短時間で発電を始められることも特徴だ。従来型のエネファームは都市ガスやLP(液化石油)ガスを利用し、ガスを改質して水素を取り出すプロセスが必要になることから、発電開始までに約1時間かかっていた。
徳山動物園と市地方卸売市場では、発電した電気を施設内の照明や空調などに使うほか、発電の際に作られる温水は動物や野菜の洗浄用シャワーに利用する。東芝燃料電池システムは、次年度以降の開発で発電効率を55%まで引き上げ、貯湯ユニットの補助ボイラーで水素燃料に対応したシステムを開発する。【東芝燃料電池システム(株)】