清水建設、本社ビルで「カーボン・オフセット」によって「ニュートラル」実現

【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2015.03.11 【情報源】企業／2015.03.06 発表

　清水建設は、東京・京橋の本社ビルで「カーボン・オフセット」によって「カーボン・ニュートラル」を実現し、環境省の制度に基づく認証を3月6日に受けた。国連のCDM（クリーン開発メカニズム）プロジェクトを通じて創出・獲得した排出枠（CO2クレジット）を充てた。自社創出の排出枠を活用した大規模ビルのカーボン・ニュートラルは国内で初めてだ。
　カーボン・オフセットは、温室効果ガス削減努力をした上でどうしても排出される分について、他の場所での排出削減・吸収量で埋め合わせることを指す。カーボン・ニュートラルは、事業活動などに伴う排出量のすべてを他の活動で相殺する取り組みを意味する。清水建設は今回、2013年10月から2014年9月までの本社ビルのCO2総量で達成した。
　自社が保有する2914tのCO2排出枠を取り崩した。清水建設がアルメニアのエレバン市とウズベキスタン・タシケント市の埋め立て処分場で進めたCDMプロジェクトで創出・獲得した排出枠を活用した。どちらも有機性廃棄物から発生するメタンガスを回収するもので、現在運用されている。同社がCDMプロジェクトで創出した排出枠総量は約16万tに及ぶ。
　建物の省エネ設計から排出枠の創出・獲得、カーボン・ニュートラルまで単独で可能な企業は国内で清水建設だけという。本社ビルでは今後もカーボン・オフセットでカーボン・ニュートラルを続ける。同ビルは22階建てで、2012年に完成した。所有する排出枠を利用した提案で新規受注の10棟ほどの大規模ビルでもカーボン・ニュートラルを図る。【清水建設(株)】