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環境ニュース[国内]

三井物産・IHIなど、世界初の発電所実機での酸素燃焼・CO2回収一貫実証を完了

エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2015.03.04 【情報源】企業/2015.03.02 発表

 三井物産、IHI、電源開発(Jパワー)などが参加する日本とオーストラリアの官民共同プロジェクトは、世界初の発電所実機での酸素燃焼・CO2回収一貫実証を行い、2月末で完了した。エンジニアリングと商業化に関する知見を基に今後、実用化への検討を進める。石炭火力発電所でのCO2とSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)、水銀の大幅削減を目指す。
 オーストラリアクイーンズランド州のカライドA石炭火力発電所で行った「カライド酸素燃焼プロジェクト」で、三井物産、IHI、Jパワーと、同州営電力会社や関連技術を持つ各社が2008年3月に共同企業体を設立した。同国連邦政府、同州政府と日本政府からの資金援助を受け、一般財団法人の石炭エネルギーセンター(JCOAL)が技術支援をしている。
 2012年12月中旬に、火力発電所の出力3万kWの実機で酸素燃焼プロセスによるCO2液化回収装置の実証運転を始めた。今回、目標だった1万時間の酸素燃焼運転を達成するとともにCO2液化回収装置を5500時間運転し、技術の運用性と信頼性を検証した。CO2回収量は全排ガス量の約11%に当たる1日75tで、発生CO2はビクトリア州に陸送して地下に圧入した。
 酸素燃焼プロセスは日本で1973年に発案されたCO2排出量削減技術で、日本、米国、英国、欧州の小規模プロジェクトで試験が行われてきた。今回のプロジェクトで初めて事業用ボイラーに適応してCO2回収までの一貫プロセスを実証した。酸素燃焼技術はCO2回収・貯留(CCS)の重要な要素で、実証によって石炭火力発電所への導入が期待されるという。【(株)IHI】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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