一般財団法人環境イノベーション情報機構
日立製作所、蓄電システム実証プロジェクトを米国スマートグリッド会社と開始
【エネルギー 省エネルギー】 【掲載日】2015.03.02 【情報源】企業/2015.02.26 発表
日立製作所の地域統括会社、日立アメリカは、リチウムイオン蓄電システムの実証プロジェクトを米国スマートグリッド(次世代送電網)技術会社、ディマンシスと同国ニュージャージー州で本格的に始めた。日立のコンパクトな1MW(1000kW)コンテナ型蓄電システム「CrystEna(クリスティーナ)」を使用した設備の設置と試運転を終えた。プロジェクトでは、米国13州を網羅する北米最大の独立系統運用機関のPJMと、実証を進めるキャパシティー市場ならびにPJMが運営する周波数調整市場で運用データを2年間集める。集めたデータを基に電力系統安定化のための蓄電システムの有効性を検証する。キャパシティー市場は調整余力を取引する。併せて電力取引を通じてシステムの性能や信頼性などを調べる。
クリスティーナは北米初の導入例になる。リチウムイオンバッテリーやパワーコンディショナー(電流変換器)、バッテリー管理システム、冷却装置、火災消火システムを12mクラスの運送コンテナに納めた。プロジェクトで収集するデータを活用して性能向上を図る。日立とディマンシスは2014年にプロジェクトの推進で合意していた。
電力系統に蓄電システムを入れて運用・制御すると、風力、太陽光発電の大量導入による急激な出力変動や、電力供給量が需要量を上回って生じる系統の不安定化が回避できる。さらに、電力需要の少ない時間帯に余剰電力を充電し、需要の大きい時間に放電することで供給する電力を平準化できる。そのため送配電設備を増強する投資を抑えられる。【(株)日立製作所】