一般財団法人環境イノベーション情報機構
凸版印刷、送電鉄塔や電柱向けにタマムシを模したカラス被害防止ツールを開発
【エコビジネス その他(エコビジネス)】 【掲載日】2015.02.03 【情報源】企業/2015.01.28 発表
凸版印刷は、カラス被害防止ツール「たまむし〜る」を電線工事の和田電業社(山梨県大月市)と開発した。送電鉄塔や電柱向けのシール形状で、カラスが苦手とするタマムシの模様をホログラム(立体画像)と印刷を組み合わせて再現した。これにより、カラスの集団飛来や営巣を防ぐ。法人向けに2月初めにサンプル出荷を始める。カラスなどによる送電鉄塔や電柱への営巣は停電の原因になり、予防策が長年の課題になっていることから開発した。これまでにも各種防鳥ツールが使われているが、カラスは学習能力に優れ、効果が続かなかった。カラスは強い光や揺らぎを持つ反射光に警戒心を持つ傾向があり、タマムシの構造色と模様に着目して本能的に忌避する防鳥ツールを作った。
たまむし〜るは250mm角か500mm角のシール形状で、送電鉄塔などに直接貼り付けたり、板状の部材に貼って吊るして利用する。屋外での耐候性を考慮し、雨、汚れ、退色から表面を守る保護加工や、裏面の粘着強度の劣化を防ぐ加工を施している。カラス研究の第一人者とされる宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授の協力で研究し、忌避行動の効果を確認した。
サンプル価格は250mm角が1枚1000円、500mm角が同3000円(いずれも税別)で、今春、本格販売を始める。2015年度に約1億円の売り上げを目指す。ゴミ置き場などでも利用でき、電気・電設業界や自治体のほか、鉄道業界、商業施設などにも展開する。今後、利用場所や用途に合わせてラインアップを拡充し、鳥害防止に役立つシリーズ商品を提供する。【凸版印刷(株)】