一般財団法人環境イノベーション情報機構
JFEエンジ、世界遺産都市のスリランカ・キャンディの下水処理施設建設を受注
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2015.01.28 【情報源】企業/2015.01.26 発表
JFEエンジニアリングは、世界遺産に登録されているスリランカ中部の都市、キャンディの下水処理施設の設計・建設を受注した。日本のスリランカに対する政府開発援助(ODA)で初めての下水処理施設の建設だ。生活排水によって悪化する同国の主要な水源、マハウェリ川などの河川や湖の水質を改善する。受注したのは1日の処理水量1万4000m3の施設で、汚濁物質を分解する曝気(ばっき)槽と呼ぶ設備内の水中プロペラで下水と酸素をかき混ぜて効率的に浄化する方式を採用した。JFEエンジはこの方式で日本トップ水準の実績があり、運転や維持管理が容易でランニングコストを低減できることが評価された。
スリランカは急激に経済が成長している一方、下水道はほとんど整備されていない。普及率は2.5%程度にとどまる。同国第2の都市で仏教聖地の古都、キャンディでも、市民の生活排水は十分に処理されないまま河川や湖に直接流され、水質が悪化している。建設する処理施設では市内約7万人分の下水を処理する。
JFEエンジは、今回の下水処理施設によりキャンディの環境管理を改善するのを機に、インフラ整備が課題になるスリランカで今後、廃棄物発電プラントや橋りょうなどさまざまな技術を提供する。日本政府はスリランカを重要な援助国に位置付け、これまでODAで交通網や電力、上水道などのインフラ整備を支援している。【JFEエンジニアリング(株)】