一般財団法人環境イノベーション情報機構
住友ベークライト、リチウムイオン電池負極材が秋田のEVバス電池パックに採用
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2015.01.14 【情報源】企業/2015.01.14 発表
住友ベークライトのリチウムイオン電池負極材が、秋田市で運行されている電気自動車(EV)バスのリチウムイオン電池パックに採用された。この負極材は、同社が開発して関係会社の秋田住友ベーク(同市)が製造する「LBV-1001」だ。急速充放電を繰り返した際の電池特性の劣化を抑制する特長を持ち、EVバスへの適合性が高い。秋田県内の企業が参画する「あきたEVバス実証コンソーシアム」が、地元のバス会社、秋田中央交通(秋田市)にEVバス「ELEMO(エレモ)」の運行を委託している。コンソーシアムは、2014年9月から11月にかけて動力源のリチウムイオン電池パックを交換し、その際にLBV-1001を負極材に使った電池にした。
交換作業と車検を終え、11月20日に秋田中央交通の秋田市内の路線、泉ハイタウン線で営業運転を再開した。平日のみ1日1往復運行する。ELEMOは、比較的容量の小さい電池パックを搭載して急速充電を頻繁に繰り返すことで、EVバスの課題とされる長時間充電による稼働効率の低さを改善する。併せてLBV-1001が電池の劣化を抑えられる。
LBV-1001は、住友ベークライトが保有する樹脂合成技術を活用し、低不純物と高い品質安定性を実現した。リチウムイオンの吸収・放出速度に優れ、EVのほか、エネルギー回生が重要なハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向け電池への適用が検討され、次世代自動車の要求に合致した特性の最適化を進めている。【住友ベークライト(株)】