一般財団法人環境イノベーション情報機構
川崎重工、産業用で初の純国産独自技術の水素液化システムを開発、試験を開始
【エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2014.11.21 【情報源】企業/2014.11.19 発表
川崎重工業は、純国産独自技術の水素液化システムを産業用で初めて開発した。本格的な性能評価試験を始める。トヨタ自動車が年内に水素を使って走行する燃料電池車(FCV)の販売を始めるなど、今後の水素利用の拡大を見込んだ。効率的な輸送・貯蔵システムを構築するための液化技術の確立を急ぐ。水素液化システムは播磨工場(兵庫県播磨町)の水素技術実証センターに設置した。水素液化機、液化した水素を貯蔵する液化水素貯蔵タンクなどで構成し、1日当たり約5tの水素を液体にする能力がある。圧縮した水素ガスを冷凍サイクルで冷やした水素と熱交換しながら液化機内で冷却し、液化水素を製造する。
川崎重工が保有する極低温物質の取り扱い技術や、高速回転機械の開発で蓄積したタービン技術を活用した。試運転で液化水素が製造できたことから、試験に移行する。試験では性能や信頼性、保守性などの確認と技術改良を進め、システムの製品化を目指す。より大型で高効率な液化システムの開発にも取り組む。
水素は液化すると体積が約800分の1に減り、使用する場合は蒸発させるだけで高純度の水素ガスが得られる。水素は将来のエネルギーの中心になると期待され、川崎重工は水素液化システムに加え、液化水素の運搬船や液化水素貯蔵タンク、水素燃料に対応したガスタービンなどインフラの開発・製品化を推進する。【川崎重工業(株)】